よしこ先生のここだけの話
最近のニュースについて①保育園・騒音問題
最近、ニュースで保育園問題のことを取り上げられない日はないですね。
待機児童、騒音問題、保育士不足、うつぶせ寝の事故・・など。
保護者の皆様もご不安に感じていらっしゃる方が多いと思います。
私自身も関係者として胸を痛めたり同情したり反論したり気づいたり、様々な思いがあります。
そんな中、これまで「当たり前のこと」としてあえて公表していなかった保育園内の様子をこのページでご紹介し、安心の助けになっていただけたらと思います。
まずは騒音問題。
とこちゃんの上は居住マンションであり、隣接する住宅もありますが、住人の皆様からはあたたかく受け入れていただいています。
「いつも賑やかですみません」
ご近所さんに会うたびに、思わずこの言葉が口からでる私です。
すると、「いやいや、元気をもらえるよ」「さみしくなくていいよ」と言ってくださる方の多いこと。
若い女性の方は「とこちゃんがここに来てから早く私も子ども欲しくなった~」
ご年配の女性からは「かわいくって皆さんにお会いするのが私の楽しみなんですよ」と、この方
昨年のとこちゃん運動会に応援にきてくださっていました。
お隣さんは「うちにも孫がいるから子どもの声はいいね~。ぜひ大いに賑やかにしてくださいよ。」と。
マンションの清掃係の方は職員のことも気にかけてくれて、お会いするたびに「先生、風邪ひいたの?」「今はまだ泣いている子が多いから大変でしょう。」など、優しいお声をかけてくださいます。
そして、一番の味方はマンションのオーナーさんです。
とこちゃんはこれまで三度、保育室のテナント探しをしました。
一度目は開所するとき。
二度目は移転するとき。
三度目は増設するとき。
そのたびに「保育園はリスクが高いから」と、たいていオーナーさんから嫌厭されます。
騒音問題、物件の痛みの速度、事故がおきたときの物件のイメージなど、総じて嫌われます。
そんな中、とこちゃんはとても幸運です。
一度目のオーナーさんは「それは良いことですね。ぜひご利用ください。」と快く貸してくださいました。
そして、周辺のご理解も得て、何の問題もありませんでした。
二度目のオーナーさんは「それはおもしろい。ぜひ!」とおもしろがってくださいました。
ここでも周辺のご理解を得て、のびのびとした保育が実践できましたし、何かと「これは危ないから」とオーナーさんが率先して修繕してくださって、本当に恵まれた環境でした。
そして三度目。今のとこちゃん保育園ととこちゃんベビールームの建物のオーナーさん。
最初にお会いした時、保育園としてお借りすることを伝えると
「いいんじゃない」とクールにひとこと。
「いいんですか?」思わず聞き返す私。
「けっこうなことですよ。私もちょっと興味あります。」
一見愛想のないオーナーさんですが(失礼!)、それからというもの、子どもたちと程よい距離感でかわいがってくださっています(^^)ハロウィンではお菓子をみんなに配ってくださいました♪
開設当初、住民の皆様にはご挨拶とともにご説明をし、保育園運営のご理解をいただけるよう努力しましたが
オーナーさんいわく、「ここの人たちはそんな心配しなくても大丈夫だよ」と言ってくださいました。
本当にそうでした!住民の皆さん、本当にあたたかいのです。
自転車置き場にバイクを停車している方も、園児さんがバイクを触って怪我をすることがないようにと細心の注意をはらってくださっています。(このことは最近になって知りました。)
ただし、これは本当に幸運な事例です。
保育園の騒音問題は、丁寧な事前説明があったとか、配慮があったからとかでは済まされない問題であると思います。
「子どもの声を騒音と言わないでほしい」という訴えもありますが、私はそれは違うと思います。
保育園ができるとは知らずに以前から住んでいた住民の方、
あえて静かな環境を選んで家を建てたのに目の前に大型保育園ができて四六時中、子どもたちの声、泣き声、奇声、ピアノやCDの音が聞こえていたらどうでしょう。
保育園はたいてい土曜日も早朝から開所しています。保育園によっては日曜日も。
健康なときは良いかもしれません。
しかし、心身が病んで療養している人にとってはすべてが騒音に感じてもおかしくないくらい、保育園はたしかに賑やかな場所です。
さらには、数年前からどの地域でも保育園がどんどん新設されています。
保育園によっては、近隣からの苦情が多すぎて保育室の窓を開けることを禁じている園もあるようです。
子どもたちには小さい声で話すように教えているとうい園まであるそうです。
子どもの権利と地域との調和、並行して取り組む待機児童対策。
政府は今後どのような対策を打ち出すのでしょうか。
私は個人的にこう思います。
認可保育所であっても、小規模保育事業であっても
保育所として活用するための土地、建物、テナントを都道府県または市町村が確保し、
そこでの運営法人を募集するというしくみを積極的に導入していくことが有効ではないかと感じています。
待機児童数を照らし合わせながら、必要な場所に必要な施設を開設することができますし、
周辺住民への事前調査、事前説明も民間が行うよりも確実に確かな答えが出てくるのではないかと。
もちろん、このしくみを成立させるには膨大な時間と費用がかかることでしょう。
早急に対応しなければならない待機児童問題を前に、何を悠長なことをと言われるかもしれません。
現状は、各法人が基準に満たされた場所を選んで申請し、認可を受け、開設をしています。
なぜならその方がいろいろと「手っ取り早いから」なのでしょう。
そう、ここが問題だと思います。
私は個人的に政府に言いたい。
目先の結果のために手っ取り早い方法に頼らず、10年先の福祉を見据えてください。
何かを大きく良くしよう、改善しようとするには、時間とお金がかかるのです。
この問題は、そのくらい本腰を入れて取り組まなければならない問題です。今こそ、行政の本気を見せてください!
騒音問題も待機児童問題も、どうか児童の福祉に反することのないよう、地域住民の穏やかな日々が保証されますよう、選挙前の一時的な方策ではなく、継続的かつ慎重な方策が挙がることを切に願います。
次回は「うつぶせ寝の事故防止」について書きたいと思います。