親と子どものエトセトラ
どれだけの、どんな時間を子供と過ごせばいいのか
とこちゃんWEB担当、浅野です。
保育園にお子さんを預けて働いているパパやママ。特にママ。
どんな1日を過ごしていますか?
朝は誰よりも早く起きて、出来る限りの家事をして、子供の身支度、自分の身支度、時に夫の支度(?)、朝食食べさせて、出来れば自分も食べて、もう少し家事が出来たら家事をして、出発!
保育園に子供を預けて(あれこれ伝えて、支度を整えて)、出勤。必死で仕事して、お迎えに間に合うように退社(まだ仕事が残ってるのに~(>_<))。保育園で大量の荷物と共に子供をピックアップ。家に帰り着くなり、夕飯の支度、洗濯物取り込んで、お風呂入って、夕飯食べて、子供を寝かしつけていたら、パパ帰宅。夕食を出して、子供が寝た後、食事の後かたづけ、お風呂の掃除、洗濯して・・・。自分が布団に入るのはいったい何時になる??
まあ、それぞれのご家庭でやることの順序が違ったり、洗濯は朝やったり、パパは勝手に食べてくれたり、今日はやらない風呂掃除があったりすると思いますが、時間、ホントに足りないですよね。
そんな中、保育園から持ち帰った食事用のエプロンにへばりついているカレー色したご飯粒や、短いうどん、まっ黒になったズボンのおしり、数週間前に新しいものと交換したばかりの歯ブラシが既に花開いているのを見た時、「ふっ」と笑いながらも、はたと考えたりしないでしょうか?
「私の子供との時間、こんなんでいいのかな?」
「今日もほとんど遊んであげられなかった・・・、はぁ。」
「子供と過ごす時間、短かすぎるんじゃないかな?」
子供を保育園に預けているママ達の多くが、きっとこの「子供との時間」に対する疑問や葛藤を持って日々を過ごしていらっしゃるのではと思います。
そして、その気持ちが更に強くなってしまう時がありませんか?
例えば;
・どうもこのところ、子供が登園を嫌がる
・一度はおさまっていた指しゃぶりが復活
・なんだかぐずぐずが止まらない
・進んでいたトイレトレーニングが後戻り
などなど、ちょっといつもと違う行動が出てきた時。
ママはきっと、まず自分を振り返り「自分のせいなのではないだろうか」と考えるのではと思うのです。
・いつもバタバタしてママと遊ぶ時間が無いから?
・ママと離れている時間が長いから?
・子供とお風呂に入りながらも、明日の仕事の事を考えちゃってるから?
・おっぱいをあげながら、上司に言われた一言を気にしちゃってるから?
と言うことで、この「子供との時間」について、よしこ先生に聞いてみました。
保育園に子供を預けている場合、子供が親と過ごす時間は、少なくなる。そこをどう補えばいいのか?そもそも子供との時間は足りないのか?子供はどう思っているのだろう・・・?
「・・・、葛藤の連続でいいと思います。それを割り切りすぎてしまうとかえっておかしい、と言うか、子供との時間が無くて当たり前になってしまうと、おかしくないですか?だから、みんな、葛藤しながら仕事して、小さい子供預けて・・・、だから・・・。それはたぶん、自分の経験も含めて、お母さん達、みんなが感じながらお子さんを預けていらっしゃると思います。で、バランスを見いだそうと頑張って、勤務時間だとか、送り迎えの時間だとか、土日はこんなふうに過ごそう、とか、夜はこんなふうに過ごそうとか、短い時間を密にどうやって過ごそうかな、とかみんな考えながら、工夫しながら、でも、やっぱり時間は短い・・・で、また、反省。これじゃいけなかった、をくり返してくり返して、何とかやり過ごしているのがほとんどだと思います。だから、へたに割り切るっていうのも難しいことかな・・・と」。
浅野がこの時間の話しを切り出した時に、よしこ先生が最初に言ったのが上のコメントでした。
この言葉を聞くだけで、少しほっとするというか・・・、「ああ、みんな同じ」、「ひとつひとつ、乗り越えて行くしかないんだな」、というような、そんな気持ちになりませんか?
長いからいいとか、悪いとか、限られた時間の中で早く出来ればいい、沢山出来ればいい、など、「時間」は白黒つけられるようなことではないのかも知れませんね。
色々話しを聞いていて、よしこ先生の基本的な考えは、「一緒にいる時間の長さ」よりも、「その時間をどう過ごすか」にあると思いました。以前からよしこ先生は、「親の愛の伝え方は、一緒に過ごす時間の長さではないと思う」とよく言っていましたし。
また、お子さんの個性によって、ずっと一緒にべったりくっつかれているのが嫌で、少しは1人で遊びたい、という子供もいるから、そのへんの間合いもありますよね・・・、と。
確かに、「子どもは親やお友達と一緒に遊びたいもの、1人で遊ぶなんて可愛そう」という思いは、大人の勝手な思いこみなのかも知れません。ママが家事でバタバタしている間、「ビデオ見られる!ヤッタ」と思っていたり、「お絵かきしよう!」と思っていたりして・・・(笑)。
そして、こうした「母と子の過ごす時間は長い方がいい」という考えや、「子供が小さいうちは母親が養育するのがイチバン!」というような考えは、日本の文化(社会の風潮)で、「三歳児神話(※)」が未だに根強く残っていることや、「夢の専業主婦」時代のなごりから、小さい子供を保育園に預けることに母親が罪悪感を感じやすく、「子供と過ごす時間」について、悩んだり、葛藤したりする、ひとつの原因になっているんでしょうね・・・、とこんな話しになりました。
※三歳児神話:子供は三歳頃まで母親自身の手元で育てないとその子供に悪い影響があるという考え
他にも、こうした悩みにつながる原因として、「人からどう見られているか」を気にしやすい日本人の国民性、「このかわいい盛りの我が子ともっと一緒にいたい」という母親自身の心の思いがあるからなのでは・・・、という話しにもなりました。
「でも、色々悩みながら、葛藤しながらも子どもを預けて働くのには、大きな意味、目的があるわけです」、とよしこ先生。
>>詳しくはコチラの記事をご覧下さい【我が子を保育園に預けるということ「保育園に預ける理由?」】
そして、「やっぱり小さいうちは、怪我もしやすいし、母親を求め泣くことも多い。だから、特に小さいお子さんを預ける場合には、罪悪感を感じやすい。でも、離れている間の様子を保育士から聞いたり、運動会や発表会などで子どもの成長を見たりすると、“ああ、いい経験をしているんだな”、“可愛そうなだけではないんだな”、と感じて、少し気持ちが癒されたりして、お母さん達はみんなバランスを見いだしているんですよね・・・」、とも。
さて、どんどん長くなってきたので、またこの「子どもと過ごす時間」については別記事で書きたいと思います。
(はぁぁぁ??何ーーーー!!)(怒)(笑)
この「時間」について、よしこ先生の話しを聞いた浅野の結論は;
子どもと過ごす時間は、「長いか短いか」、ではない。そして、このような「子どもと過ごす時間」について悩んだりすることは、誰にでもある。むしろ、当然。子どもをよく見て、気持ちを察し、どこで自分が求められているかを知る、そして求められた時にどう応えるか、また、「子どもとの間でこれは大事にしたい」ということがあるのなら、どうやってその「大事にしたい」ことをするか、考え、工夫することが大切。そして、子育ての基本を忘れない、となりました。
次回の「子どもと過ごす時間」についての記事は、この結論について書きたいと思います。
※因みに、この記事で出てきた「三歳児神話」については、子どもの発達や心理を研究する多くの有識者が、「間違った解釈がされている場合が多い」としています。その多くは、「子どもの発達で、幼少期が大切なのは否定できない事実だが、その時期に母親と密接に過ごすことが重要だ、という科学的根拠はない」という意見です。また、「保育園で過ごす時間の長さは、子供の発達にほとんど影響しない」と厚生労働省の研究班がまとめています。