とこちゃんグループ代表より

熱中症予防対策

とこちゃん保育グループ代表の今田美子です。

新年度がスタートし、どの施設も活気が増してまいりました。

夏を迎えるにあたり、水遊び等の経験をとおして更に活動範囲を広げていきたいところです。

しかし、水遊びの経験以上に大事なことがあるということを、ぜひ知っていただきたいのです。

 

気温が上がれば熱中症で搬送・死亡のニュースが絶えない時代です。

数日ぶりに気温が上昇した本日(6月6日)

横浜市瀬谷区の中学校生徒の4人が体育祭中に熱中症とみられる症状を訴え、病院に搬送されました。

このうち2人は入院、他にも気分が悪くなった生徒もいて、保健室で手当てを受けました。

今日瀬谷区の最高気温は午後1時に31,5度まで上がっていたそうです。

(情報元:FNNプライムオンライン)

 

知人から聞いたところによりますと、学校側は万全な対策をもって体育祭を開催したそうです。

(2~3競技ごとにクーラーのある部屋で休憩する、水分補給する、無理はさせない等)

それでも、このような事故が起きてしまう。

 

「ここは涼しいから大丈夫」「このくらいなら経験上問題ない」

「暑いからと言って外で遊ばせないから子どもが弱くなる」

もし、皆さんの周りにこのような発言をする方がいたら、以下当保育グループの対策をご一読いただくようお伝えください。

以下はご利用の保護者様へ配信した通知文ですが、一人でも多くの方に発信したいのでこの場を借りて一部を公表します。

 

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近年、夏の暑さが厳しく、当保育グループでも熱中症対策を強化しているところですが、

万全な体制であるはずの教育現場においても、昨年7月、愛知県豊田市で校外活動後に小学1年生が熱中症で亡くなる事故が起きました。今月5月には東京都町田市の小学校で運動会の練習をしていた児童ら十数人が体調不良を訴え、4人が熱中症の疑いで救急搬送される事故が起きました。

熱中症はもはや「自然災害」と言われています。熱中症を含む自然災害から子どもの命を守るためには、大人たち(保育士・保護者)の明確な判断と行動が必須です。

子どもは自分で熱中症を感知することができません。

まずは、我々大人たちが、昔の暑さと今の暑さが違うことを正しく認識することが大切です。

そして、幼い命を確実に守ることができるよう、熱中症に関する情報(予防・対策・処置等)を積極的に収集するとともに、保育園では一定のルールを設定し、判断基準を明確化する必要があると考えます。

以下は、当保育グループにおける今夏の「熱中症予防対策」です。

保護者の皆様のご協力なくしては達成できません。どうぞよろしくお願いいたします。

 

  • 「熱中症予防健康管理シート」を毎朝提出する。(園児・職員ともに)

→少しの体調の変化も早期に発見・配慮することで適切な対処ができる。

  • 15分間給水を徹底する。(園児・職員ともに)

→乳幼児は1回に口に含む水分量が少ないため15分間に1回こまめに給水する。

  • 幼児(3~5歳児)も朝のおやつを食べる。(園児・職員ともに)

→7時に登園(出勤)した園児(職員)は昼食まで塩分を摂取できないため。

  • 戸外活動の基準を以下のとおり定める。

→この程度なら「大丈夫だろう」という感覚に頼ることが事故に繋がるため。

 

環境省からは「暑さ指数 31℃以上は『危険』であり、外遊びをさせない」(または高温注意報=気温 35℃)という勧告が出ていますが、それ以下の場合の判断につきましては、明確な基準がありません。そこで、当保育グループは、次のように考えて屋外活動(園庭活動や水遊び、散歩など)の中止を判断します。

(測定前に戸外活動を開始していた場合は、測定結果により室内に戻ります。)

 

午前〇時に、施設長(または主任)が〇〇〇〇〇(施設ごとに設定)の上で測定した気温が30度を超えた場合は屋外活動(水遊び含む)をしません。

※土曜保育は管理者不在のため、6~9月の戸外活動(水遊び含む)は行いません。

 

ただし、上の条件で「活動可」となっても、その後の温度の上昇、その日の子どもたちの様子、

体調によっては屋外活動をしない場合があります。

室内のシャワー(沐浴)のみ実施する場合もあります。

室内でも心身を開放できるような運動遊びを取り入れていきます。

 

【参考】

・環境省「熱中症予防情報サイト」

・保育の安全研究・教育センター「安全に関するトピックス」

・横浜市の保育教育施設における暑さ対策ガイドライン

・厚生労働省 熱中症関連情報「施策紹介、熱中症予防リーフレット、熱中症診療ガイドライン」

 

【おわりに】

子どもの成長にとって戸外活動は大切です。しかし、それ以上に大切なことは命を守ることです。

戸外活動は春・秋・冬に叶えることができます。我々保育士は、年間を通して指導計画を立案しています。戸外において得られる育ちは春・秋で達成してまいりますので、どうぞ施設・保育士の判断にご理解ご協力いただきますようお願いいたします。

また、熱中症予防対策では「朝食」が有効であると言われています。睡眠中に不足した水分・ミネラルを摂取せず、登園時にすでに脱水状態のまま戸外活動をし、熱中症の症状で搬送された例もあるそうです。つきましては、朝食を食べないで登園した場合、水遊びが可能な日であっても施設側で「見学」と判断しますので予めご了承ください。

 

以上