ときどきとこちゃん
とこちゃんの防災
とこちゃんWEB担当、浅野です。
とこちゃん保育園&とこちゃんベビールームで、引き取り訓練が行われた、9月。
我が家の双子が通う保育園でも引き取り訓練がありました。
この引き取り訓練を行ったことで、「子供を預けて働くこと」について、また、今後検討しておかなければならない課題など、親として改めて考えさせられました。
そこで、「とこちゃん」の防災対策や意識、「いざ」という時の備えについて、よしこ先生に聞いてみることにしました。親として、必ず得るものがある、と思ったからです。
結論から、言うと;
とこちゃんの先生達は、真剣!
当然のことなのでしょうが、ものすごい真剣!
何事も起こらない方がいいに決まっているけれど、とこちゃんにお子さんを預けている保護者の皆さま!
先生達は、どんな事をしてでも子ども達を守る覚悟で、最善を尽くしていると思います!
というところです。
しかし、とこちゃん全体の防災意識を高めることや、訓練、備えは、保護者の皆さまの協力無しでは出来ません。
よしこ先生のお話を聞きながら、協力してくださっている保護者の皆さまへの感謝の気持ちを感じつつ、
と同時に、「保護者の皆さまにも、改めて一緒に考えてみて欲しい」という切なる思いも感じました。
どうか・・・、一緒に考えてみてくださいませんか?
お話しを聞いたのは;
①先日行われた「引き取り訓練」について
②「119番通報体験」について
職員(調理の先生方も含め)、及び保護者からあがった意見や感想を聞いてみました。
今回は、①の先日行われた「引き取り訓練」について、Q&A方式でお伝えします。
Question:浅野/Answer:よしこ先生
【Q1】引き取り訓練については、どのような報告があり、どのようなテーマで意見や感想を募ったのですか?
A1:①訓練が行われた日時、場所、想定(地震発生後に停電)について意見を募る/②保護者への緊急連絡を実際に行った保育士より報告/③避難用具(備えについて)意見を募る/④保護者への引き渡しを行った保育士より報告/⑤当日の行動・意識に関して写真を見ながら確認・反省・体験を共有
と、上記のような内容です。訓練では、保育士がそれぞれの立場や役割で行動していました。いざと言う時には別の立場や役割で行動することが必ずあります。そうなった時に、誰もが落ち着いて対応が出来るように、実際にどう行動したか、どう感じたか、などを共有することが大切と考えました。
また、保育士全員が自らの行動を振り返り、言葉に出すことで、反省や次に向けての思いがよりしっかりと心に残る・・・と言うか、肝に銘ぜられると思い、一人一人に考えてもらい、共有しました。
体験や思いを「共有」したことで、訓練の意味は、2倍にも3倍にもなったと思います。
【Q2】実際にどんな意見が出て、報告からどのようなことが見えてきたのですか?
A2-①:想定について;
職員から、「設定時間を日常の流れに支障のない時間の方が良かった」/「外出時に発災した場合の想定も必要」/「起こり得る事を可能な限り想定、日頃の避難訓練で実施すべき」/などの意見が寄せられました。意見にあったとおり、今後の避難訓練でこれまで以上に様々な想定で(時間、場所を変えてなど)訓練を実施していこうと思います。
A2-②:保護者に引き取りのお願いをする連絡ツールや連絡方法について;
今回の訓練で、保護者への連絡を担当した保育士は2名(とこちゃん保育園・とこちゃんベビールームより1名ずつ)でしたので、その2名から以下のような報告がありました。
保育士Aより報告;
プライバシー保護を考慮した連絡体制を整えているが、フォーマットの設定に誤設定があり、設定をし直す必要があった(訓練しておいて良かった)。新入園児、退園児があった場合は都度、忘れずに設定(解除)し、準備しているので、連絡が出来ない、という事態はなかった。
保育士Bより報告;
連絡出来なかった、という事態はなかった。全ての保護者に対応するため、連絡方法を準備しているが、緊急時に連絡漏れなどがないようにしなければならない。保護者の連絡先電話番号等に変更があった場合は、都度設定し直し、準備している。保護者からも連絡先に変更があった場合は、通知してもらっている。
他保育士より;
「連絡先が変わっているのでは」と思われる保護者が数名いたため、避難訓練前に確認をした。
この報告から、やはり訓練たる部分が出たな、と思いました。
「緊急連絡先」については、変更があった場合、必ず届け出てもらえるように徹底しなければ意味がありません。今回は訓練だったため、事前に連絡先変更を確認することが出来ましたが、災害はいつ起こるか分かりません。クラス便りなども活用して、「連絡先変更は必ず報告」を徹底するよう依頼しました。
今後の緊急時の連絡に関しては、連絡網システムなどを活用し、よりスムーズに出来るように考えているところです。
A2-③:避難用具について;
不足なものなどはなかったか聞いたところ、以下のような意見が出ました。
・懐中電灯、大人用避難靴、ヘルメット、など、数が不足と感じた/・停電した場合、エアコンが使用出来なくなるため、その状況に応じた備品が必要/・一時避難のリュックの中に予備のおしりふき、おむつ、ゴミ袋、水分補給用のコップを入れておくべきと感じた/・ほし組は普段から水筒を使っているが、これが非常に良かった/・水道の水が止まってしまう前に、タンクなどに水をためておく必要があったのでは(飲み水意外に利用出来る水は、屋外タンクに準備している)/・抱っこひもを誰もが取りやすい場所に用意しておく方が良いのでは/・やはり定期的に避難グッズの点検をすべき/・避難用具の入れ物への記名を大きくした方が咄嗟の時にわかりやすい
不足と報告があったものは、早急に増備します。保管場所等に関しては、実務に当たる保育士で相談して場所決めをお願いしました。
訓練を行ったことで、懐中電灯の光力不足が明かになったので、これも増備します。近日中に各園で使用して、効果を確かめます。
また、懐中電灯の使用については、疑問に思った事があったので、保育士に確認をしました。
「停電した」という想定だったのに、すぐに懐中電灯を使っていなかったのです。
何故、すぐに使わなかったのか確認しました。保育士からは、「停電を想定した時間はそれほど暗くなく、文字も顔も見えていた。本当に暗くなってしまった時に電池が無くなることを心配し、点灯しなかった」と報告があったのですが・・・。
確かに、電池切れは心配です。場合によっては、セーブしなければならない事態もあると思います。しかし、予備はたっぷり準備してありますし、子どもの気持ちを考えたら、個人的には十分暗かったと感じたので、そのように伝えました。現に、移動の際には懐中電灯で足元を照らしていましたし、「暗いから」故の無意識の行動も先生方に見られたので、すぐに点灯すべきだったと伝えました。
また、長期避難を考えて、先生方も忘れずにトイレに行くことをお願いしました。
状況がある程度落ち着き、子ども達も安定したら、声を掛け合い、交代でトイレへ行く。水分補給に関しても、子どもの水分補給は勿論だが、大人の水分補給も大切です。どうしても子ども達優先になってしまうのですが、災害時は全てが子どもと同じ行動だと考えて欲しいと伝えました。以下のような行動例です。
・子どもが防災ずきんをかぶる=大人もヘルメットをかぶる
・子どもに水を与える=自分も水分補給をする
・子どものおむつを変える=自分もトイレへ
守るべき命がたくさんあるので、どうしても自分が後回しになりがちです。しかし、子ども達を守るためには自分の体力も必要と心得て欲しいと思います。
また、トイレについては、大人用の簡易トイレを事務室に保管していたのですが、今後はこれを各園内に常備することにし、各自使用方法を確認するように伝えました。
保護者からの意見も共有しました。
災害を想定して自宅まで歩いて帰宅した保護者より、慣れない靴で、裸足だったため、靴擦れが出来て大変だった、との報告があったのです。落ち着いたら靴下を履かせる等、対策は可能か考えて欲しいと伝えました。今後の避難訓練で対策を検討出来るのではと思います。また、避難靴のサイズがギリギリになっている子どももいるので、都度保護者への連絡をしていこう、と再確認しました。
A2-④:引き渡しに関して;
今回の訓練で、引き渡しを担当した保育士は2名(とこちゃん保育園・とこちゃんベビールームより1名ずつ)でしたので、その2名から以下のような報告がありました。
・保育士Cより;
ほとんどのお迎えが父、または母だったが、子どもの引き渡しには、父母、家族であっても、「引き取り人カード」または、「身分証明」の提示が必要であることを、父母だけでなく、お迎えに来る可能性のある人全員で確認してもらわなければならない。日頃の送り迎えを母が行っている場合、父親の顔が分からない場合があるので、「父です」と言われても、それだけで引き渡すわけにはいかない。引き渡しは、混雑、混乱なく、スムーズだった。
・保育士Dより;
引き渡しはスムーズだった。協力して人数確認が出来たので、良かった。今回、混乱は無かったので場合によっては、1名ずつではなく、2名ずつでも引き渡しが出来るのではと感じた。
・引き渡しの際に何をしたか両保育士に確認;
顔の分かる保護者以外が迎えに来た場合は、名前を確認し、引き渡し。それ以外の場合は、「引き取り人カード」又は「身分証明」の提示をお願いし、「誰の迎えに来たのか」確認。保管している引き取り人データと身分証の名前を照合、引き渡しを行った。
引き渡し後、「誰が何時に来て、引き渡したか」をメモに記した。
スムーズに引き渡しが出来たので、正直ホッとしました。
訓練でバタバタしては実際に発災した時にどうなるか・・・。ですから、リーダーとなる保育士は、もっと明確に「アナタはこれを」、「アナタはこれを」と、指示した方が良いと伝えました。見た目には、指示が出ているような行動だったのですが、実際は個々の気づきで行動していました。非常事態の場合は、やはり混乱しやすいです。「個々を見る人」、「全体を見る人」と意識を分けた方が安全を守る上では、より良いと考えています。
また、引き渡しの際には、必ず、「誰が何時に来て、引き渡したか」を記すことを忘れないように念を押して伝えました。万が一、「引き取り人カード」も「身分証」も持っていない人が迎えに来た場合は、責任者である私(よしこ先生)が判断するので、絶対に現場判断で引き渡すことのないように強く伝えました。
そして、今回は訓練だったため、引き渡し後、すぐに帰宅してもらえるようにお願いしましたが、引き渡しの際に「無事です」、「怪我はありません」、など一言添えると、保護者はほっと出来るのでは、とアドバイスしました。
A2-⑤行動・意識に関して
訓練を行った際、反省会を行うことを前提にそれぞれのシーンで写真を撮っていましたので、その写真を見ながら当日の様子を確認・反省・体験を共有することに役立てました。また、まとめとして、伝えたこと、保育士からの意見は以下のようなものです。
・日頃から避難具の確認をすべき。「用意してあるからそれでいい」、ではなく「これは使えるか」、「私はこれを使えるか」などチェックが必要/・ガラスの飛散防止を考え、ロールカーテンは閉めておいて良かった(これに関しては意見が分かれたため、専門家に確認することとなった)/・避難経路の確保は出来ていたか/・子ども達の避難行動はスムーズだったか/・調理室でも避難訓練を実施してみる/・これまで実施していなかった小さい子どもでも机の下にもぐる練習をしてみる/・避難路を確保するため、扉を開放する場合は、注意・工夫をする/・子ども達が落ち着いて行動出来ていたのは、日頃の訓練のおかげ。積み重ねの必要性を実感した。/・避難具を定期点検するため、点検表を用意したい。/・災害時でも(こそ)、普段の保育意識を忘れない
いかがだったでしょうか?
私は、よしこ先生の話しを聞き、まとめていく過程で、家族の防災意識について、多くのことを振り返りました。
双子が誕生する前より、ずっとしっかり備蓄したりしているのですが、気持ちの上で、まだまだだなあ・・・と。
(-_-)
保育園のような団体生活をしている場所と家庭の防災では、同じように備える必要があるか、と言えばそうではないと思います。
しかし、保育園に預けている親として、実際に何か起こった時に、職場から保育園までどう迎えに行くのか、そこからどう帰宅するか、その後、どう過ごすのか、などしっかり想定しておかなければならないな、と。
そして、我が家の双子が通う保育園でどのような準備をしているのか、信頼できる状態なのか、確認することも大切、と思いました。
次回は、119番通報体験について、お伝えします!
※文章にまとめる上で、文語にしている部分があります。ご了承下さい。