我が子を保育園に預けるということ

徹底して子どもの側にたつ

『徹底して子どもの側にたつ保育』

これは、国が定める保育所保育指針第一章にも、どの保育書にも掲げられている基本的な考え方

=「子どもの最善の利益」を誰もが捉えやすく、かみくだいた表現として個人的に一番しっくりきたので日頃から活用しています。

 

「我が子を保育園に預けるということ」のコラムにも、何度も登場してくるキーワードですが

どの角度から考えても、どの問題であっても

保育園で起こるすべての出来事は『徹底して子どもの側にたつ』ことでほぼ解決に至ります。

しかし、私は最初からこの考え方でとこちゃんを運営できていたわけではありません。

 

以前、私がこれを徹底していなかったばかりに、お預かりしていたお子さんや親御さんを傷つけてしまったことがありました。

「子どもの側」はもちろん配慮しつつも、最終的には「大人の側」にたって判断してしまったのです。

その時は、経営者として園長として、やむを得ないことである、私が嫌われることで解決するならそれでよいと自分に言い聞かせていました。

しかし、それは大きな間違いであり、単なる思い上がりであり、「逃げ」だったということにすぐ気づきました。

そのことで私はずっと反省し続けて、今もなお反省し続けています。

反省しつづける日々は、想像以上につらいものでしたが、反省しながらも私がやるべきことは何かを模索しているうちに

気づいたら、保育の基本にたちかえり、保育を一から学びなおそうと教科書や参考書を読みあさっていました。

 

そんな中で、「徹底して子どもの側にたつ」というキーワードにたどり着きました。

すっと心に入りました。

そして、ことの争点が明確化されました。

 

保育園で大事なお子さんをお預かりすること

大事な我が子を保育園に預けるということ

職員が保育士という仕事に誇りをもって保育できること

地域に開かれた保育園を運営すること

 

どの立場から考えても、子どもを真ん中にして、私たち大人は手と手をとりあい

「徹底して子どもの側にたつ」ことを共通認識してみんなの心がまとまっていくのではないか

悶々と自己否定を繰り返していた中で、一筋の光が見えたような気がしました。

 

保育園にお子さんを預けると、折に触れて疑問や葛藤、怒り、不安等を覚えることがあると思います。

そんなときは「徹底して子どもの側にたつ」という言葉を思い出してみていただけると何かの糸口が見えてくると思います。

保育園は子どもの生活の場ではありますが、その背景には国や県、市町村といった大人の世界があります。

保護者や保育者、大人たちの居場所でもあるわけで、大人の事情がからんでくることもあります。

大人の側を排除するというのではなく、「子どもの側にたつ」ことを考え方の根底におく。

その根底はどんな場面でもどんな問題でもぶれない。

私はそう心に決めて、日々の保育に運営にあたっています。

過去の反省を心に刻みながら。

 

 

次回は「保護者同士のおつきあい」について書きたいと思います。