我が子を保育園に預けるということ

補足

先日「徹底して子どもの側(がわ)にたつ」ということについて書きましたが、ひとつ補足させていただきます。

(皆様もご承知のことと思いますが、念のため例を挙げてお話します。)

 

子どもの側(がわ)にたつ=(イコール)子どもの言いなりになる、子どものペースに合わせるということではありません。

例)子どもの思いを尊重しようとするあまり、子どもの言うがままを受け入れること。

 

あるたとえ話です。

保育園の帰り道に子どもが自宅近くの公園に行きたいというので「じゃあ少しだけよ」と寄りました。

夕食の時間が近づいてきましたが、息子は「もっと!もっと遊びたい!」となかなか帰ろうとしません。

お母さんはこう思いました。

仕方ないわね。昼間は保育園だからこの公園はなかなか遊べないし、赤ちゃんの頃から大好きな公園だし。

息子の気もちになって、息子が納得するまで遊ばせてあげよう。

お母さんは「しょうがないわね、じゃあ遊んでいいわよ。」と息子に言いました。

楽しく遊んで1時間が経ち、あたりも真っ暗になりました。

さすがに「帰る」と言ったので、満足したのね、よかったわと自宅に帰りました。

もう19時。ちょっと待ってて、ママ急いでごはんつくるから。

うどんならすぐできるから、ホントは肉じゃがの予定だったけど・・今夜はうどんにしちゃおう。

うどんをつくっている間に息子は遊び疲れて寝入ってしまいました。

少し寝かせてからごはんだよと起こしましたがびくともしません。

結局、お風呂も入れずそのまま朝まで寝てしまいました。

お母さんは息子の寝顔を見ながら思いました。

ご飯は食べられなかったけれど、納得するまで遊べたし、私も親として満足。

 

 

様々な状況があるので(なぜ保育園の帰りに公園に寄り道したのか、息子さんの発達特性等)一概には言えませんが

このお母さんは「子どもの側にたって、子どもの気もちを尊重している」と言えるでしょうか。

 

 

私はそうは思いません。

もちろん、子どもの気もちを大事にしているのはわかります。

しかし、先ほどの例は「お母さんの満足」になっているように思います。

 

私なら、まずは「遊びたいんだね」と受け入れたうえで

「じゃあ、この時計が3になったら帰るよ。その約束が守れるなら遊んでいいよ。」ということを先にきちんと伝えます。

(時計が理解できない年齢ならスマホのアラームが鳴ったら、とか、お母さんが帰るよって言ったらなど、子どもが理解しやすい方法で伝えます。)

それでも「まだ遊びたい」と言ったら「約束だから帰ろうね」と即答します。

それでも「いやだ」と言ったら以下の内容を、我が子にわかるようにかみ砕いて説明します。

 

人には生活リズムがあり、そのリズムは成長していく上でとても大切だということ。

遊びたい気もちは大切。でも、ご飯を食べるのも同じように大切であること。

暮らしは自分中心ではまわっていないこと。

家族とともに協力しながら生活しているということ。

そして、あなたも家族の大事な一員であること。

これからお母さんはおうちに帰ってご飯をつくりたいし、お父さんを笑顔で迎えたいということ。

 

まぁ、実際にはこんなに長々とは説明しませんが、親の思いを「真剣に」我が子に伝えます。

我が子なら理解できると信じて。

ちなみに、我が家の娘は約束したら必ず守るよう赤ちゃんの頃からしつけました。

約束は絶対であり、「じゃあいいよ」はなし。

泣いても叫んでも、約束だからと連れて帰りました。(もちろんその後も機嫌悪くて大変ですケドね)

 

でも、それが大事だと思うのです。

この後機嫌悪くなるから・・とか、かわいそうだから・・とかで、一度交わした約束を簡単に「じゃあいいよ」と一度でもお母さんが許したら、子どもはそれを学習します。

だだをこねれば僕の言う通りになると。

 

子どもの言いなりに生活をしていくことを「子どもの側にたって、子どもの気もちを大事にしている」とは言いません。

それは「子どもにふりまわされている」と言います。

子どもは「僕中心で世界はまわっている」と捉えていくようになります。

そして、最後に困るのは子ども自身です。

 

どんなに楽しいひとときでも、きちんと終わりの時間を示し、三度の食事や団らんの大切さや家族の一員であるということ、約束は守るものであるということを教えてくれる親と

終わりの時間はあいまいで、あら遅くなっちゃったからうどんだけになっちゃったけどしょうがないよねと食事もいい加減で、早く寝ちゃってもまぁいいかで解決する親。

子どもの側にたって考えたら・・どちらが子どもにとって幸せでしょうか。

 

子どもの躾は大人のつとめです。

しかし、躾は難しく奥が深い。

そして、保育園に預けて働いている親御さんは親子の時間が少ない中でどのように子どもを躾ていくべきか悩まれることも多いと思いますので、次々回は「子どもの躾」について書きたい思います。

 

私も毎日、我が子とのかかわり方に悩んだり考えたりします。(親子の時間があまりにも少ないので)

子育てに正解はない。マニュアルもない。それは個人差があるからです。

それぞれの家庭の事情、家族構成、お子さんの性格、親の性格、特性、親の職業、健康状態、生活時間・・などなど。

だからと言ってなんの疑問ももたずに「我が家流」を貫くのはいかがなものでしょう。

 

本当の意味で「子どもの側(がわ)にたつ子育て」ってなんだろうと、これからも皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。