我が子を保育園に預けるということ
保育園選びのポイント②
保育園選びのポイント3カン→
直感、玄関、そして「時間」
これは、保育時間(開所時間)です。
保育時間?
保育園を選ぶ際の一番最初のポイント
当たり前じゃないと思われるかもしれません。
たしかに、お仕事のご都合により預けたい時間が決まり、その時間帯を預かってもらえるかでまず保育園が選別されます。
それとは別に注目していただかたいのが「開所時間」です。
開所時間は各園の自由設定。
(認可園は11時間以上開所の規定あり)
開所時間を見れば、その園の方針があらかた見えてきます。
深夜・早朝開所している長時間保育園の場合。
(院内保育や乳児院、企業内保育等、不規則な勤務体制のご職業に就かれている保護者のお子さんは例外です。)
朝食・夕食つき、シャワーつき、衣類もオムツもお布団も、費用を支払えばすべて園で貸し出し&購入してくれます。
忙しく働く親にとってありがたいですね。
食事の仕度も洗濯も荷物準備もしなくてよいのです。
大人にとって非常に「都合がいい」保育園です。
・・ということは?
お子さんの保育も、「大人の都合」が優先されている可能性が高いということになります。
たとえば
お片づけが大変だから、今日はブロック以外出してはいけません。
(あたし、おままごとしたいのに。。)
この時間は先生が少ないからテレビを見せてます。
(そもそも保育室にテレビがあるのはおかしなこと。)
リスクを伴うから公園に行くのは週1日です。
(戸外遊びなくして健やかな発達は保障されません。)
先生の休憩時間がなくなるから連絡ノートは書きません。
うちは園内にカメラを設置してますのでいつでもパソコン、スマホからお子さんの姿をご覧ください。
(先生とはどう連携していくの?)
一人を抱っこすると全員抱っこしなければならないので抱っこは禁止です。
(先生に抱っこしてもらえないの!?)
すぐに働きたいし、仕事を休めないでしょうから、慣らし保育はしなくて良いです。
(子どもの気もち、完全に無視してます。)
などなど
通常考えにくいことが現実に起きている園が実際にあります。
洗濯物、たしかに大変ですよね。
私の娘が保育園に通っていたときも、一日に何回着替えるのだろう?というくらい毎日大量の洗濯物を持ち帰っていました。
ヒー!と思いながら、ふと気づくのです。
娘が保育園でどんな遊び方・食べ方をしていたのか
今日はどろんこしたのね
今日は汗いっぱいかいたのね
先生まめに着替えさせてくれたからあせももできずにありがたい
翌日保育園のお仕度をするときも
最近よく転ぶみたいだからひざがかくれるズボンを持たせよう
このエプロン好きだから今日は機嫌よく給食食べられるかな
日々の荷物準備にも親のちょっとした思いがこめられる。
そしてそれはなぜか、我が子にちゃんと伝わるものです。
ああ、ママは離れているときも私のこと考えてくれているんだなって。
それが
先程のようなスタイルの園ではどうでしょうか?
朝登園すると保育園の共用衣類を着せられます。
朝食・夕食、おうちで食べたいな。
お散歩行きたいな。
おままごとしたいな。
先生にあまえたいな。
大人の都合により
遊びも衣類も寝食も
あまえたい気もちでさえも
我慢するのが日常化してしまう子どもたち。
かつて私が働いていた園がまさにそうでした。
慣らし保育がないので一日中泣いている。
なのに抱っこもしてあげられない。
放っておけばいつか諦めて泣き止むから大丈夫と先輩保育士が言いました。
私、涙ながらに園長に訴えました。
園長はあっさり言いました。
そう、じゃあ辞めたら?
はい、私は辞めればいい。
でもこの子たちは・・辞められない。
保育士って何?
保育園って何?
親御さんは保育園の内部事情などよくわからないですよね。
なので、保育園を選ぶポイントとして
第一に利便性を優先しがちです。
しかし、気づいたら我が子のことなのに知らないことが多すぎる。
子どもが無表情になっている。
なぜだろう?
保育園選びのポイントは育児本でもよく特集されています。
料金、場所、規模、保育内容、給食、持ち物、園庭があるかないか、園長の方針、行事、等々。
その中でも
保育時間が長く設定してある園(例 6:30~23:00等)や、大人にとって都合良いサービスがたくさんある園は慎重に見学してください。
(もちろん、長時間保育施設の中には子どもの立場にたって保育されている素晴らしい園もあります。)
すべてにおいて
大人の都合ばかりを優先していないか。
子どもの気もちを大切にしているか。
家庭での時間や親子のやりとりを大切にしてほしいと願っている園であるか。
おわりに。
すべての子どもは家庭で過ごす権利があります。
しかし、保育園はきちんと選べばお子さんにとっても親御さんにとっても最高の居場所となります。
家庭と保育園、両方に愛される場所があるなんてお子さんにとってこんなに幸せなことはありません。
ただし
どんなに良い保育園であっても
長時間家族と離れて過ごす子どもの気もちを
お子さんの立場にたって
まずは丸一日かけて想像してみましょう。
その上で、ご自身の働き方を考え、保育園を選んでみてください。
保育園選びのポイントとして大きく3つ挙げましたが
このテーマでも最終的に行き着く先は
「まずは子どもの立場にたってみる」ということです。
どうでしょう?
我が子を保育園に預けるということの意味を、その深さを、少し垣間見ていただけたでしょうか。
次回は
そもそも「保育園ってどんなところ?」というテーマで綴っていきたいと思います。